ハイローでは大きな取引金額で取引をするときに勝ち、負けるときは取引金額を抑えるというのが利益を大きくするための肝となります。
裁量取引額戦略はこれを実現するための理想的な方法ですが、実践するためのハードルが高いという弱点がありました。この弱点を補うのがマーチン戦略です。
今回は、このマーチン戦略について具体的な例を使いながら詳細に解説していきます。
マーチン戦略の基本
マーチン戦略は連敗はいつかは終わるということを軸に編み出された手法です。
その前提でいくと、連敗が終わるまで取引金額を倍々で増やしていくと、最後に勝ったときの払い戻しだけで負けた分を全て取り戻して利益が出せるという考え方です。
ちなみに、ハイローではペイアウト率が2倍未満なのが通常なので、単純に2倍ずつに増やしていけばいいというわけにはいきません。
ただ、基本的な考え方はシンプルで、勝つまで取引金額を増やしていけば最後に勝ったときにトータルで利益が出るというわけです。
具体的にどういう取引金額になっていくかについては、マーチンの取引金額や勝率の表を作ってみたので参考にしてみてください。
マーチンの仕組み※パスワードは「abc」です。薄い水色のセルのみ入力できるようになっています。表は小数点以下を表示していないので、1円レベルで端数が合わないことがあります。
取引金額は、何回の連敗に耐えられるようにするかによって変わってきます。
薄い水色のセルの数字を変えながら、実際の取引金額がどう変わるのかを体感していただければと思います。
マーチン戦略の具体的な流れ
マーチン戦略を使ったときにどうなるのか、実際に見てみましょう。
資金が10万円、ペイアウト率1.8の場合で、4連敗まで耐えられる(5連敗すると資金がゼロになる)ような資金管理でやってみましょう。
表をダウンロードされた人は、資金に「100000」、ペイアウト率に「1.8」と入力してみてください。その後、マーチン種別が「5回」となっている行を見てください。
この戦略で取引する場合、はじめの取引金額は「2,206円」です。1回目で勝てれば2,206円×1.8=3,970円の払い戻しを受けられ、1,764円の利益を出すことができます。
1回目に仮に負けた場合、2,206円を失うことになります。その場合は、2回目の取引金額をを増やし「4,963円」(表のD9セルを参照)とします。
2回目に勝つと4,963円×1.8=8,933円の払い戻しを受けられ、1回目で失った金額を合わせて1,764円の利益を受けることができます。
もし2回目にも負けた場合、3回目の取引で「11,168円」(表のE9セル参照)を投入します。
3回目に勝つと11,168円×1.8=20,102円の払い戻しを受けられ、1回目・2回目で失った金額を合わせてやはり1,765円の利益を出すことができます。
3回目に負けた場合も同様に4回目の取引金額を増やして取引すれば、ほぼ同額の利益を出すことができるのです。
このように、最初に設定した連敗さえしなければ(この例では5連敗)、着実に利益を出すことができるというのがマーチン戦略の大きな特徴です。
勝利して利益が出ると資金が増えます。今回は1回勝利すると資金が101,764円になるので、資金の欄に「101764」と入力してください。すると、初回の投入金額も増えています。
このように、徐々に投入金額を増やしながら進めていくことで、徐々に大きな利益を出せるようになっていきます。
マーチン戦略のメリットとデメリット
マーチン戦略のメリットは連敗さえしなければ着実に資金が増えていくことと、連敗する可能性は低いので勝率がそれほど高くない状態でも比較的利益を積み上げやすいという点です。
そして意外に大きなメリットなのが、連敗さえしなければ良いので積極的にエントリーしやすいという点です。
取引をしないと利益は出せませんが、ハイローで取引をするときに、「負けてはいけないと思って結局取引がなかなかできなかった」という人が多いようです。
しかし、マーチンをやれば比較的楽に取引を開始できるので、結果的に利益も伸びやすいという傾向があるわけです。
デメリットは、連敗してしまうと資金があっという間にゼロになってしまうという点です。
そして、連敗が続いてくると大きな資金で取引をすることになるため、プレッシャーが相当きつくなってきます。こうなるとなかなか取引はできるものではありません。
連敗をしている状況なので何かの歯車が狂っている可能性が高く、その状態では次に負ける可能性が高い場合が多いです。
そういう場合はいったん間を空けたり、あるいは、途中撤退するという手も検討する必要が出てきます。
勝率とマーチン戦略の関係
さて、マーチン戦略はどの程度の確率でうまくいくのでしょうか? 続いて、勝率との関係について見ていきます。
管理人が個人的に現実的だと思っている勝率6割の場合、マーチン戦略で資金を無事2倍にできる確率はどの程度なのか検証してみましょう。
表をダウンロードされた人は、勝率のところに「60」と入力して、「2倍達成確率」という列を見てください。
先ほどの例で使ったマーチン種別5回(5連敗すると資金がゼロになるマーチン)だと、2倍達成確率は66.25%です。
もともとの勝率6割を上回る確率で、資金を2倍にできるということが分かります。マーチン種別6回だとさらに確率は上がり、69.12%で資金を2倍にできます。
ちなみに、マーチン種別5回だと40回の勝利で、マーチン種別6回だと90回の勝利で資金が2倍になります。(ペイアウト率1.8の場合)
勝率が70%の場合だとどうでしょう。2倍達成確率はマーチン種別5回だ90.73%、マーチン種別6回だと93.65%となります。勝率が上がるにつれ、2倍達成確率はそれ以上に伸びていることが分かります。
逆に勝率が低いとどうでしょうか? 定額戦略でプラスマイナスゼロとなる勝率55.56%の場合、2倍達成確率はマーチン種別5回だと49.69%、マーチン種別6回だと49.86%となります。
2倍達成率は5割近いとはいえ、少し下がってしまっています。
勝率50%の場合はさらに大きく下がり、2倍達成確率はマーチン種別5回だと28.08%、マーチン種別6回だと24.24%になってしまいます。
勝率5割の場合はマーチン種別の回数を増やしても2倍達成確率はどんどん下がってしまうので、マーチン戦略の回数を増やすのは確率論的には意味がないと言えるでしょう。
マーチン戦略はオススメか?
マーチン戦略はメリットとデメリットがあるので、全ての人にオススメできるわけではありません。
しかし、マーチン戦略の確率を良く知りリスクをよく理解して運用できる人にとってはかなり有効な方法だと思っています。
なお、マーチン戦略を使う場合には注意してほしい点があります。
- 目標を明確にすること
- 連敗時のメンタルを意識すること
上記についてそれぞれ見ていきましょう。
目標を明確にすること
マーチン戦略は際限なく続けていくと、理論的にはいつか必ず負けるときがやってきます。
そのため、目標を明確に決めて目標を達成したら利益分は出金するなど、マーチン戦略の資金から外しておくほうが良いでしょう。
連敗時のメンタルを意識すること
マーチン戦略の確率はあくまで確率でしかありません。
流れが悪いときは勝率7割の人でも連敗してしまうことがあります。
メンタルの章でも詳しく解説しますが、連敗時には特に冷静に対処しましょう。
特にマーチンは連敗が命取りになるので勝率が高い人ほど油断しないようにする必要があります。
少なくとも以上の2点に注意して、マーチン戦略は進めていきましょう。
ちなみに、管理人はもともとこのマーチン戦略を使っていましたが、現在は自分の取引データが集まっているので裁量取引額戦略を混ぜたやり方を取っています。
マーチン戦略をしながら取引データを集めていくというのは、個人的におすすめしたいやり方です。